【元CAが伝授】子連れ飛行機旅行はこれで怖くない!-事前準備や対策でバッチリ!-

こんにちは!元フライトアテンダントだったメーです。

我が家は1歳半の時に渡米。その後、下の子が生まれ生後4か月で再渡米しました。

その数年間の間、何度も子連れフライトを経験している我々。

我が家の経験談と共に、「CAだったらこの状況どうする!?」というCA目線からも子連れで飛行機に乗るTipsや注意点をお伝えしていきたいと思います。

目次

まず最初にお子様連れのフライトにあたってのTipsをご紹介します。

各座席ごとのメリットをみていきましょう。

最前列を指定する

日本国内線で、もし小さな機材(AirBus A320など)に乗る場合であれば最前列の指定をオススメします。

足元が広く快適に過ごせますし、何より子供がグズグズしてしまった際にギャレーにさっと移動することができます。

泣き声を気にされる親御さんでも、一番前の座席は壁を一枚隔てたギャレーに移動できるので少し安心かなと思います。(機材によっては壁のないものもあります)

最後列を指定する


トイレに近く、おむつ替えをする場合でも移動がしやすい最後列もオススメ。
荷物がたくさんある子連れフライトですから、降機するときに時間がかかる場合もあるでしょう。


一番後ろの座席だと急かされることなく降機にむけてゆっくり準備ができます。


最前列同様、こちらの座席も機材によってはさっとギャレーに移動できます。

最後列は最前列と違って足元が狭くなるのが難点ですが、そのぶん座席料金は最前列に比べて安いことも。

お子様の泣き声、お手洗い、おむつ替えが心配な方は最後列も視野に入れてみてください。

ちなみに非常口座席も足元は広いですが、子供は非常時の脱出の際に他の乗客の手伝いができないため、小さなお子様は座ることができません。ご注意ください。

小さなお子様をゆっくり寝かせたい方はバシネット席

ロングフライトの場合、小さなお子様をずっと抱っこしているのは少々体がキツイ。


大型の飛行機には、赤ちゃんを寝かせて置けるバシネット席があります。

バシネット使用可能な座席は限られているので、航空券予約時に必ず確認し、確保しておいてください。


バシネット席に空きがない場合でも赤ちゃんと飛行機に乗ることはできますが、基本的には膝の上でずっと抱っこになります。

早めにフライトの日がわかっているのであればまだ空いている可能性もありますので早めに座席の確保とバシネット使用の旨伝えておきましょう。

1席座席を購入する


可能であれば、真ん中の座席を購入しておくことも快適に過ごすためのアイデアです。(ただし、別料金)

例えば、横並びの3席の機材なら、両サイド大人の席を指定して真ん中の席は他の乗客が乗らないよう購入してブロック。

座席指定のいらない年齢のお子様は膝の上に、真ん中にフライト中に必要な荷物を置いておいたりできます。

座席のブロックや、座席上に荷物を置けるかどうかは航空会社のルールによって異なります。


筆者の経験では、「シートベルトで固定しておけば座席に荷物を置いてもOK」の航空会社もあれば、「いかなる場合も座席に荷物は置けない」という航空会社もありました。

予め確認しておくことが必要です。



座席指定を「チェックイン時でいいや~」と思っていると、家族バラバラになってしまう可能性があります。


長時間のフライトは家族で固まっていた方が何かと心強いです。必ず搭乗券の予約と一緒に座席指定をしてくださいね!

ロングフライトの場合、お子様の暇を何時間も潰すのは至難の業。

大人も眠れず、疲れてしまいます。

筆者が楽だったと感じた出発時間は夕方発でした。

上空でドリンクサービスの後、食事が出てきて、食事が終わってのんびりし始めるのが20時頃。


その後、機内の電気が消されてみなさんおやすみモード。

うちの子はしばらくオモチャやいただいた絵本などで遊んでいたのですが、眠たくなったのかそのまま着陸まで約7~8時間の間、寝ていてくれました。


短いフライトであっても、搭乗するまでなるべく寝かせないのがコツ。

乗った瞬間寝てくれたりします。(飛行機に興奮して寝ない可能性もありますが…)


どうしても朝出発しかない場合は…諦めます。

映画を見せたり、お絵描きをしたり、お菓子を食べさせたり。
なるべく退屈させないよう万全の対策をしていきます。

睡眠を促すサプリメント

アメリカ人ママやアメリカ生活が長いママさんは、午前出発のフライトの場合には子供向けのサプリメントを飲ませるそうです。


メラトニンという成分が入っている子供向けサプリメントなのですが、こちらを搭乗後に食べさせると(グミのような形状なのかな?)細切れながらも眠るとか。


こちらは賛否両論あると思いますが、うちの場合は夫が嫌がるので飲ませたことがありません。「そんな睡眠薬みたいなもの子供に与えるなんてコワイ!」と言っています。


こちらはCVSなどのファーマシーで普通に販売されていて処方箋などが必要ないサプリメントでした。

与えるか与えないかは、親の判断と言うことになりますね。

「言われんでもわかってるわい」と思われるかもしれませんが、子連れだろうが大人だけであろうが全てが早めに越したことはないです。


日本からの国際線は出発の60分前が締め切りとされていますが、混雑時には荷物を預けるだけでもかなりの時間を要します。


その後の保安検査も行列…地上係員が探しにきて大声で名前を呼ばれ、空港内のアナウンスで呼ばれ、行列をかき分けて優先的に保安検査。

並んでいる他の乗客に白い目で見られる…なんて光景もよくあります…。



子どもがいると予想外のアクシデントに見舞われてすべてがスムーズにいきません。


カウンターでの手続きは出発2時間前からですが、2時間半~3時間前に着いていると安心です。

早めにチェックインをし、保安検査を通り、ゆっくりと子どものトイレやおむつ替えを済ませて搭乗されておくことをオススメします。



と、言うのも「時間がないからトイレは飛行機の中で行かせよう!」と思っていても、実際にはなかなかトイレに行けないケースも。

滑走路が混雑していて飛行機が離陸するまでに時間を要したり、上空の大気が不安定で離陸後になかなかシートベルト着用サインが消えずに離席できなかったりすることがあります。


私が経験したのは、離陸後最大3時間離席ができず、トイレに行けなかったこと


離陸までの待ち時間が1時間、離陸からシートベルト着用サインが消えるまでが2時間。

幸い、夜の国内線だったのでビジネス利用の大人が多く「トイレ~~~!」と焦っている方はいませんでしたが、心の中ではトイレに行きたいと思っていた方が私を含めたくさんいたはず…。


上記のようなこともあると想定して、早めに空港に到着しておき、自分自身と子供のトイレは済ませておくことを強くオススメします。

子連れだとどうしても多くなってしまうのが荷物です。

オムツ、ミルク、お菓子、オモチャ、着替えなどなど、荷物が大人だけでフライトする量の3倍ぐらいになってしまう。



大きな荷物は前の座席の下に収納することができないので、基本的には頭上の物入れに入れることになります。

必要なものがあるたびに立ち上がって物入れをあけて、取り出して、また大きなバッグを戻して…とかなりの重労働になることが予想されます。




私はエコバッグ(ビニール袋でもなんでも良いです)など軽量な折りたためる袋を用意しておき、搭乗後に必要なものだけ大きなバッグから移し替えておきます。

そして子供の足元に置いておけば、必要なものはすぐ取り出せる。


フライト中に荷物の上げ下ろしをしているお父さんたちをよく見ていましたが、これが結構危険。

上の物入れには荷物がぎゅうぎゅうに物入れに詰められているので、一度他の人の荷物を取り出すなど他の場所によける必要があります。このことで、「勝手に人の荷物を触った!」とクレームになったケースがあります。

また、怖いのが他者を傷つけてしまう可能性。

大きなバッグを出した際に他の人の荷物が落下して下にいる人の頭にあたって怪我をさせてしまったこともありました。

意外と揉め事になることが多いのがこの荷物の出し入れ。



フライト中にどうしても荷物を出さなければならない場合は同乗者もしくはCAさんに手伝ってもらうと良いです。

横にある荷物を押さえておいてもらったり、一旦別の場所によけなければならない荷物の持ち主に声をかけてもらったりできるからです。


CA側としても声をかけてもらえる方が安心できます。

CAが見ていないところで荷物の落下による怪我→揉め事…となることを、できれば避けたいから。



CAは保安要員。大きな事故に繋がらないためにお手伝いできることはお手伝いします。

飛行機の中での食事、子どもに食べさせつつ自分も食べる。

ってかなり難しいですよね。



子供と一緒に飛行機に乗るときの食事にはいくつかのポイントがあります。

以下の方法でスムーズに食事をとることができます。

・子供と食事の時間をずらす
・座席を広々と使えるように片付けておく
・なるべくアルコールはいつもより少なめに
・子供用のカトラリーを用意しておく


狭いスペースで子どもの食事を手伝っていたら、自分の飲み物がひっくり返って…って結構カオス。

特にエコノミークラスはテーブルを出すととても窮屈になり、体の可動域が一気に狭くなります。

限られたスペースをできるだけ有効に使うために周囲を片付けておき、食事の時間をずらしておくと子供の食事はスムーズに進みやすいです。


基本的にはチャイルドミールが先に配られるのですが、子どもって食べるのに時間がかかりますよね。

お子様がまだ食事を終えられてないのであれば、「私は後で大丈夫です」とCAさんに一言伝えておけば、ミールは取っておいてくれます。


食事を出していない座席をメモしたり、付箋をシートに貼っておき、落ち着いた様子になればCAから「お食事はどうされますか?」と声をかけてくれます。




また、飛行機で配られるカトラリーは割と口に入れる部分が大きかったり、大人用と共用だったりして子供が食べづらい場合があります。

いつも使っている持ち運びケースに入っているカトラリーを持っていくと良いかと思います。

子ども自身が使い慣れたカトラリーで自分で使って食べることもできるので、親御さんも食べさせ係に徹しなくてよくなるメリットも。

少し荷物にはなりますが、意外と使える子供用カトラリーです。

そしてアルコール問題。

飛行機では地上にいるときよりも酔いがまわりやすいと言われています。

子供のお世話があるのに泥酔してしまったら大変。
(決して飲むなと言っているわけではありません…)


たまに父親がビールだワインだとたくさん飲んで、爆睡してしまい、お母様がひとりでお子さんの世話をしている場面を見かけます。(寝ているお父さんの頭を思いっきりはたいているお母さんも見かけました)


コレ、絶対ダメなやつです。

来世まで恨まれます。

飛行機内では家族のチームワークが肝心。

予期せぬ状況があることも踏まえて、お子様連れのフライトでは「子どもファースト」で行動してください!

子どもを連れて飛行機に乗るときにまず不安に思ってしまうのが、「万が一子供が泣き叫んだら周りの乗客に迷惑をかけるのではないか」ということ。



元CAであっても子供を連れていたら同じことを思います。


子供が何かしら不安や不満を感じて泣いてしまうことは普通のことであり、わかってくださる乗客もいれば、迷惑だと感じる乗客もいます。



泣いてしまうことは止められないので、「その後の対策」をしっかりしていけば不安が少し軽減されるかもしれません。



私が万が一に備えて対策していることは以下です。

泣いてしまう、騒いでしまう子供対策

  • 一旦ギャレーなどに移動し立って抱っこしてあやしてみる
  • 歩ける子供であったら、ギャレーまで通路を歩かせて気分を変えさせてみる
  • 新しいオモチャやお菓子を用意しておく
  • 飛行機内に搭載されている絵本などを借りる
  • この日だけはスクリーンタイムは気にせずタブレットなど見せておく


泣き声や叫び声の次に多いのが、「前の座席をキックする子ども」です。

3歳~の子供は座るときに足をブラブラしてしまうし、靴の先が前の座席に届いてしまうんです。

それが結構背中に響く。


航空会社によって採用している機材のシートの厚みが違ったりするので、薄いシートだとつまさきが少し触れただけでも結構響きます。

↓2歳半ぐらいのとき。まだ全然足は前の座席に届きません。


直接後ろの乗客に言えないので「CAさん、後ろの子が座席を蹴っているようなんだけど、やめさせてくれない?」と言われることも多々。



CAはお子様にも伝えますし、親御さんにも伝えます。

そこで「すみませんでした」と前の座席の乗客に謝ることができる親御さんだと、その人も気持ちが落ち着く。

何も対策をしない、謝らない親が一定数いるので、「子連れフライトは悪」のような風潮になってしまうのかなと思います。


「何も対策をしない親」

上記のように座席の件で5、6歳のお子様に言ってもイマイチ伝わっていないのか座席キックをやめない事象がありました。

さすがに5,6歳の男の子はキックの力も強かったので前の座席の方もかなり気になっていたよう。

お母さまは眠っておられたのですが、「お休みのところ申し訳ありません」と声をかけて一部始終を伝えました。


母親が一度は注意したものの、ずっと前の座席を蹴っている息子。

それでも母親は無視。

もう一度CAから声をかけると大声でブチギレ。

「言ってもやめねーんだからしょうがねぇだろ!!てめぇ!子供いないくせに口出してくるんじゃねーよ!」

とのたまった後、また息子を無視して目を瞑り寝てしまいました。

ハイ、子どもはいませんが、蹴られる人の気持ちはわかります」と毅然と伝えた先輩(チーフパーサー)。


さすがに前の座席の乗客も驚いて、「もういいです。CAさんも大変ですね」と仰られ、その後キャプテンの許可を得て座席の変更を提案しました。

フライトが終わったあとで私たち後輩は「あの人ヤバかったね~。あんな親で子どもがかわいそう」なんて言ってしまっていたのですが、先輩は「私たちは子どもがいないけど、子どもを育てている人も色々あるんだろうね。お母さまもずっと眠ってらしたし、疲れていたのかもしれないね」と言った姿が優しくて、カッコ良かったです。

子どもによる座席キック対策

  • 一番前の座席など、足元の広い座席を指定する。前の座席に足が届かなくて安心
  • 靴を脱がせる。靴のつま先で蹴られると前の座席への衝撃が倍増するように思います
  • 脚を斜めか横向きに伸ばさせる。親御さんの膝の上などに足をのせる
  • 足元に空気を入れて膨らませる子供用フットレストを用意する
    足をブラブラさせずにフットレストの上に置いておけるのでキックする確率が減ります


フットレストは持ち込み不可の航空会社もありますので事前に確認をしてくださいね。

上記は日系航空会社について書きました。

アメリカではフライトアテンダントの業務は少し違うように感じます。

彼らは「お客様第一」で仕事をしている感じはありません。

「飲み物をくれ」と言うと、ギャレーを指さして「あそこから取れ」と言われたこともありますし、バシネットを取り付ける際も「ちょっと旦那、君が手伝え」と言う始末。

面白いです。

前述したように、CAはサービス要員でもありますが、基本的には保安要員です

乗客の安全を守るために乗務しています。

飛行機に乗っていて何か不安に感じること、手伝ってほしいことがあれば気軽に声をかけても問題ありません。

CAは上空で「キャビンウォッチ」と言って客室内をパトロールするように目を光らせています。

乗客の顔色、様子、具合の悪そうな人はいないか、困っていそうな人はいないか、何か必要なものはないか、などなど客室中を見渡してCA内で共有しています。


それでも気が付けないこともあります。

その場合は呼び出しボタンを押して伝えたいことを伝えてください。(そのための呼び出しボタンです!)

機内で対処できる限りは対処してくれます。

無茶ぶりはダメです。できないこともあります。


「トイレに行きたいけど、子どもが一人になるので見ておいてくれませんか?」

そんなことでも大丈夫。ちゃんと見てくれます。
私も実際にお願いしました。
彼女は子供と遊んでくれていました。


子供連れのフライトは(特に初めてであれば)不安でいっぱいだと思います。

そんな時こそ、周りに頼ってみてくださいね。

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